いくつかの症例
- 頭痛
30代男性:日頃から肩こりを感じているが、特に治療はしていない。
今回は、肩こりがひどくなり頭が締め付けられるように痛む。
治療:頚と後頭部の境、後頚部、肩がカチカチに凝っている。
また、腰のあたりも硬結あり。触診で反応を診ながら施術。
経過:頭痛は2回の治療でほぼ無くなった。
肩こりに関しては、仕事柄(デスクワーク)仕方ないと言う。
頭痛は無くなったので、一応治療は終了とする。以降、調子が悪い時に来院している。
- 寝違い
40代男性:今朝起きたら頚が回らず、痛む。
治療:単純に、頚を動かして痛む場所に施術。
経過:施術後、動く範囲は多少拡がったがまだ少し痛む。
翌日来院したときはほぼ痛みはなくなっていた。
- 腕が挙がらない
70代女性:何年も前から左腕が挙がらない。
五十肩などとは違い、痛みはない。
右手で持って挙げると挙がる。
治療:左の頚、肩、上腕、前腕、手の反応点に施術。
経過:1~2診ではあまり変化なし。
家での体操を指示する。10診目くらいで自力で挙がるようになる。
- 高血圧
60代女性:肩こりで来院。
降圧剤を飲んでいるが、血圧が下がらない。
何とかならないか、と言われる。
治療:おもに肩こりの施術を行う。頚、肩、肩背を主に施術する。
経過:10診目位でも肩こりは楽になるが、血圧は高いまま(上は160~150、下は90前後)。
変化が見られないので、刺絡鍼法に切り替える。
その後3診目位で血圧が下がってくる。
切り替えて6診目位で130~70のあたりに落ち着く。
- 腰痛
20代男性:椅子に座っていると、右腰、殿部、下肢が痺れて痛む。
歩いたりしているときは、痛くない。
治療:殿部の梨状筋が原因と考え、殿部を中心に、腰、下肢の圧痛点や反応点に刺絡鍼法を施術。
経過:3診目まであまり効果は見えない。
が、4診目以降少しづつ痛み、痺れが無くなっていった。
結局16診で治癒。
- 胃の不快感、めまい
70代女性:胃の不快感があり食事を一人前も食べられず、美味しいと感じれない。
また、よくフワフワした感じがして目が回るようだ。
治療:とりあえず胃の不快感から治療を始める。
施術する場所は、肩、肩背、背中(胃の裏あたり)、腰。
非常に敏感な方だったので、ごく軽い施術を行う。
経過:週1回で来院してもらった。
結果的には1年くらいして良くなったが、半年くらいまでは症状はほんの少しづつしか改善しなかった。
根気よく続けてもらったので、治療の終りのあたりでは、食事もおいしく、普通の一人前を残さず美味しく食べれるようになった。
めまいは胃の症状と共に良くなっていった。
- 捻挫
30代男性:左手首が痛む。1年位前に捻挫をした。
以降手を床についたりある方向に曲げると痛む。
治療:最初に鍼を手首に施術してようすをみる。
その後、刺絡鍼法に切り替える。
施術場所は、手首、手(指)、前腕、肩。
経過:通常の鍼での施術ではあまりよい経過ではなかった。
刺絡鍼法に切り替えて5診目で手を床についても、曲げても痛くなくなった。
重いものを持つと少し痛む。
5診目以降来院されなかったので以降の経過は不明。
- 円形脱毛症
50代女性:左後頭部あたりに直径5cm位の脱毛部が2か所。
治療:円形脱毛症の治療は患部の場所以外はだいたい同じ施術となる。火鍼か刺絡鍼法で対処する。
施術場所は、患部、後頚部、背部。
経過:最初は週2回の施術。8診位で脱毛部から発毛しだす。9診以降は週1回の施術。
3か月位で少し見ただけでは分からなくなる。
円形脱毛症の治療は一般的に3カ月程度となるように思う。
- 頑固な腰痛
40代女性:常時腰が痛い。寝起きで痛む。冷えでも悪化。
治療:大腰筋刺鍼
経過:始めのうち4~5診位までは直後には楽になるが、鍼の効果が続かず。その後~12診まで段々と効果が長持ちするように。寝起きの腰痛もほぼなくなる。
骨盤の前傾がかなりあり、それが長年続いた為、常に腰痛がある状態だったように思う。
長年同じような状態が続いた為、効果が出るまで回数が必要だった。
歩き方や姿勢の癖はなかなか改善しにくいので、定期的な治療が望ましい。