特殊な鍼について
- 刺絡鍼法
瘀血(おけつ)という考え方に基づいた治療法です。
瘀血とは何らかの原因で流れに乗れず滞った状態の血液のことを指します。
一番分かりやすい例をあげると、打撲などの内出血の、あの状態のことです。
ただ、外傷なんかの場合は見て分かりますが、身体の中は見てもよく分かりません。
そこで、身体のある部分を触診したり、押してみて痛いところは瘀血が原因の場合があります。
血液(血)が滞ってしまうと、その場所だけでなく、その他の部分にも影響が出ます。
何故なら、血液は心臓から押し出されて最後は心臓に帰ってくることから分かるように、血管は全て繋がっていると言えるからです。
例えば、川の上流で何かが堰のように塞いでしまったら、下流にはいつもの水量が流れてきません。
つまり、充分な水量(血液)が確保できないと、その不足した場所(患部)で問題が起きてしまうのです。
刺絡鍼法とは三稜鍼(さんりょうしん)という鍼と吸玉(吸角)を使って瘀血を取り除き、治療する方法です。
慢性の疾患や重度の症状にもよく効きます。
- 火鍼
鍼と灸を合わせたような治療法です。
熱した鍼を使う方法です。
ちょっと恐ろしげな印象を受けると思いますが、
使うのは鍼の先の方だけですし、
ほんの一瞬で終わってしまうので、
そんなに怖いものではありません。
もちろん、何も感じないわけではありません。
一瞬、”ズシッ”と強く押されるような感覚があります。
施術後は身体が良く温まります。
頑固な関節痛や、寒(寒さや冷え)が原因の症状に効果的です。
- 長鍼
字面の通り、普通より長い鍼を使う方法です。
現在使っているのは、10cm~20cm位の鍼です。
皮膚面に垂直に打っていくのではなく、
皮膚と筋肉の間に入れていきます。
そのため、ほとんど痛みはありません。
広い面積の患部の状態を、一気に変える場合に使います。